1人の男の想いでオレの人生が変わる

LIFE

 ある男性が22歳だった時、そこから人生観が変わった。

 

陸上競技で、ある程度有名になって、凄いなって言われるようになった彼は、
ドイツの国際大会に指名され、そこで彼は優勝をします。

関西でも陸上8種目で日本の学生新記録だった。
その国際大会のパーティで優勝のインタビュー。

その時、彼は、今回の試合ではどうでしたか?の問いに、ポンと浮かんだ言葉で、

「日ごろ、日本で食べていたパンが無くて、今回、固いパンを食べて挑んでいたので、ちょっと大変だった。普段、飲んでいる飲み物も無くて、ちょっとしんどかったけど、優勝出来て、本当に良かった。」
と、素直に話した。

その後、パーティー中にその男性が座っている、優勝者席の上座に、
1人の男性が寄ってきて、こう言った。

「今日は試合で、お前に負けたけど、オレはお前より全然強いよ」と。
何だこいつ、失礼な事言うな。と思った。

「君は、オレよりも、たしかに競技力は、ここのだれよりも高い。
今日のお前の競技は素晴らしかった。最後までオレらより戦い抜いて、ここにいる全員を倒したわけだから、お前が最強だと思う。」

だけど、、
その彼は、ユーゴスラビアの方だった。当時、その国は内戦をしていて、国と国が分断されていて、その人はそこの国の選手だった。

 

彼が「オレの妹は、買い物に行く時に地雷を踏んでしまい、両足が無いんだ。」と、彼の妹の写真を見せる。

「でも、うちの妹は、どんな食べ物が目の前に来ても、心から笑顔でお兄ちゃんありがとう、と言って食べるよ。

なぁ、おまえはこのメンバーの中で、選手として最高だけど、人間としてこのメンバーの中で一番弱いと思うよ。」

 

その時、彼は、全身を貫かれた衝撃が走った。
その場で涙が出た。
申し訳ない事を言ったな、、と。

関係ないんだけど、この豊かな日本に生まれて、自由にトレーニング出来て、
好きなウェアや、スパイク履けて、何でも選べるこの日本に生まれて、
本当に、本当に、喜ぶ事って、何なんだろう。。と真剣に考えた。

 


優勝して最高の栄誉を手に入れたのに、

優勝インタビューで本当の悦びの言葉ではなく、、
出た言葉が、不満が口を突くって、、


この時、これはオレの人間としての弱さだなと、衝撃をうけた。と。

方や、自分の命が明日無くなるかもわからない、どこから爆弾が飛んでくるかもわかんないみたいな国の人が、
「じゃ、なんで俺が競技やってるか教えてやろうか。
オレが競技やって、もしオレがオリンピック出れて、試合を楽しみに見てくれる人が居たら、そのオレの試合を見てくれるその間は、銃を手放すんだよ。」

その時、彼は全部、吹っ飛んだと。

 

この豊かな日本に住んで勘違いをして、何不自由なく困らなくて、地球上で我々は最高に幸せな、自由で素晴らしい環境。
そこに生まれた我々が、毎日がつまらねぇとか、うまくいかない、とか。

ある国で、固いパンでも心から美味しいね、って言って
幸せを噛みしめる力の、、
この凄さを、オレはこの時に感じた。と。

 

世界で一番の幸せの力を噛みしめる力がオレは弱いな、、
自由を噛みしめる力が弱いな、と感じた。

 

22歳の武井壮。

この瞬間から、彼の人生が大きく変わったそうです。